01/21: 「持ち家VS借家」という空しい比較論
いろいろな出版物で「持ち家VS借家」という記事を目にします。
持ち家の場合と借家の場合でどれだけ生涯住居費が変わるかというのが大きな論点のひとつで、住宅ローンの返済額やら家賃やらあらゆる項目を比較して、どっちがどれだけお得だ!なんてものを検証しています。
私もFPですのでこのような机上の計算も嫌いではないのですが、この比較に関していえば、大事な前提を無視して行われているため、机上の計算が机上の空論になっている場合がほとんどだと思います。
その大事な前提とは・・・
「退職したら今までと同じレベルの借家を借りれないかもしれない」
ということ。先に述べた比較のほとんどが、一生涯同じレベルの借家に住むことができるという前提で話をしていますが、そもそも入居できる貸家のレベルが下がってしまっては、この比較自体あまり意味が無いのことになるのではないでしょうか。
現実に高齢を理由に入居を断る貸主が多いのは事実であり、これら高齢者の方は、在職中や若い頃のように新築物件にすんなり入居できるケースは極端に少なくなります。言い換えれば、多くの大家さんが、『あなた』に貸すのではなく、『あなたの勤めている会社』に貸しているつもりだということなのです。自分が大家さんだと思って考えてください。名の知れた会社に勤める若夫婦と70近くで年金暮らしの老夫婦、どちらに貸したいですか?
国もそんな状況を問題視しており、平成13年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の制定などいろいろな働きかけをしていますが、現時点ではその名のとおり、一定レベルの住居を確保する段階であり、結局、貸す貸さないは大家さんの判断にゆだねるしかないわけなのです。ですから近い将来、この状況が劇的に好転するかどうかは、結局、国任せということになるんですね。
こう言いますと、「これから人口減の時代で借り手市場なのだから、将来は高齢でも貸してくれるところがあるはず。」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、それは都合の良い考え方で、賃貸市場は現時点で既に明確な借り手市場であり、需要(借主)が細ることが鮮明な今、供給数(貸家)だけが維持されていくことは考えられないのです。
もちろん、今現在、高齢者向けの賃貸が増えているのは認めますよ。しかし、そのほとんどが富裕層向けのビジネスとして展開されているということを見逃してはいけません。
加えて、私はこれから賃貸業をドロップアウトする方が相当増えていくと睨んでいます。それは日本の賃貸市場の構造によるものですが、それはまた別の機会にお話しましょう。
というわけで、「持ち家VS借家」という比較はあまり意味が無いといった私の考えがご理解いただけたでしょうか。ついでにもう一つ厳しい言い方をすると、一生賃貸で暮らすというスタイルが最近増えていますが、このようなスタイルを貫く資格があるのは、老後になっても、いざというときには余裕資金で中古マンションなりを購入できる財力を持っている方だけだと思います。そうでなければ急な立ち退きになった際、非常に苦しい立場に追い込まれると思いますよ。
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持ち家の場合と借家の場合でどれだけ生涯住居費が変わるかというのが大きな論点のひとつで、住宅ローンの返済額やら家賃やらあらゆる項目を比較して、どっちがどれだけお得だ!なんてものを検証しています。
私もFPですのでこのような机上の計算も嫌いではないのですが、この比較に関していえば、大事な前提を無視して行われているため、机上の計算が机上の空論になっている場合がほとんどだと思います。
その大事な前提とは・・・
「退職したら今までと同じレベルの借家を借りれないかもしれない」
ということ。先に述べた比較のほとんどが、一生涯同じレベルの借家に住むことができるという前提で話をしていますが、そもそも入居できる貸家のレベルが下がってしまっては、この比較自体あまり意味が無いのことになるのではないでしょうか。
現実に高齢を理由に入居を断る貸主が多いのは事実であり、これら高齢者の方は、在職中や若い頃のように新築物件にすんなり入居できるケースは極端に少なくなります。言い換えれば、多くの大家さんが、『あなた』に貸すのではなく、『あなたの勤めている会社』に貸しているつもりだということなのです。自分が大家さんだと思って考えてください。名の知れた会社に勤める若夫婦と70近くで年金暮らしの老夫婦、どちらに貸したいですか?
国もそんな状況を問題視しており、平成13年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の制定などいろいろな働きかけをしていますが、現時点ではその名のとおり、一定レベルの住居を確保する段階であり、結局、貸す貸さないは大家さんの判断にゆだねるしかないわけなのです。ですから近い将来、この状況が劇的に好転するかどうかは、結局、国任せということになるんですね。
こう言いますと、「これから人口減の時代で借り手市場なのだから、将来は高齢でも貸してくれるところがあるはず。」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、それは都合の良い考え方で、賃貸市場は現時点で既に明確な借り手市場であり、需要(借主)が細ることが鮮明な今、供給数(貸家)だけが維持されていくことは考えられないのです。
もちろん、今現在、高齢者向けの賃貸が増えているのは認めますよ。しかし、そのほとんどが富裕層向けのビジネスとして展開されているということを見逃してはいけません。
加えて、私はこれから賃貸業をドロップアウトする方が相当増えていくと睨んでいます。それは日本の賃貸市場の構造によるものですが、それはまた別の機会にお話しましょう。
というわけで、「持ち家VS借家」という比較はあまり意味が無いといった私の考えがご理解いただけたでしょうか。ついでにもう一つ厳しい言い方をすると、一生賃貸で暮らすというスタイルが最近増えていますが、このようなスタイルを貫く資格があるのは、老後になっても、いざというときには余裕資金で中古マンションなりを購入できる財力を持っている方だけだと思います。そうでなければ急な立ち退きになった際、非常に苦しい立場に追い込まれると思いますよ。
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